現代人間学部 心理学科

2017年度 現代社会調査演習 成果発表会

2018年02月28日

先月、「現代社会調査演習」という授業において、成果発表会を行いました。
この授業では、グループごとに調査のテーマを決め、調査用紙の作成、調査の実施、データの入力・分析、報告書の作成という社会調査の一連の流れを体験的に学びます。
今年度は、社会調査士資格の取得を目指す3年生11名が3つのグループに分かれ、1年間の調査活動に取り組んできました。
以下に、各グループの発表内容と1年間の授業の振り返りをご紹介します。

【グループ1:SNSに依存する人はどのような人が多いのか?】
今回の調査では、SNSの利用実態とSNS依存傾向にある人の性格について調べることを目的としました。SNSの利用については、LINEを使っている人が最も多かったです。LINEは連絡を取るため、Twitterは情報収集のため、Instagramは他者の投稿を閲覧するために使用されることが多く、SNSごとに利用目的が異なることもわかりました。SNS依存傾向と性格との関連については、SNS依存傾向にあるのは、情緒不安定性が高い人、外向的な人でした。これまでの研究では、内向的な人がインターネット依存傾向にあることが指摘されていましたが、今回の結果では、外向的な人がSNS依存傾向にあることが示され、インターネット依存とSNS依存は異なるものであることが分かりました。
社会調査G1
発表の様子:グループ1

【グループ2:自身の顔の劣等感と化粧行動は関係があるのか】
私たちのグループは、自身の顔に対する劣等感と化粧行動は関係があるのではないかと考え、調査をしました。私たちは、劣等感をカバーするために化粧をすると考え、劣等感を抱いている部分の化粧は濃くなるのではないかと予想していましたが、分析の結果、顔の劣等感と化粧行動(濃さ、化粧にかける時間、開始年齢など)とはあまり関係がないことがわかりました。化粧をする理由については、全体としてみると、「社会常識だから」「みんながしているから」という理由が多く、特に、化粧後の顔への満足度が高い人は、「魅力的になれる」「楽しい」等、ポジティブな理由で化粧をしていることが分かりました。
社会調査G2
発表の様子:グループ2

【グループ3:ファッションが好きな人はどんな人か?】
ファッションは、自己を表現する一部であり、人によって様々なファッションの好みや傾向が見られます。私たちは、ファッションにこだわりを持つ人もいれば、そうでない人もいることに着目し、ファッションへの関心の度合いによって、その人自身の性格や他者とのコミュニケーションに違いがあるのではないかと考えました。調査の結果、ファッションで自分らしさをアピールする人やおしゃれをした自分に自信を持っている人は、熱中度、夢中度が高いことが分かりました。また、最新のファッションを好む人は、大人数場面でのコミュニケーション不安が低いことも分かりました。
社会調査G3
発表の様子:グループ3

【1年間の授業を振り返って】
・分析し、結果を読み取るという力は一年を通して身についたと思います。どの分析方法を使えばいいのかという判断はまだ自信がありませんが、分析のやり方や結果の読み取りは何度も実践することができたので、少し自信がつきました。分析して結果を読みとることは大変でしたが、とても楽しかったです。

・授業を通して、質問紙を作ったりデータを分析したりする作業の難しさを学ぶことができました。今まで習ってきた統計の授業などが実際の調査・研究ではかなり重要なものであるということも身をもって感じることができました。大勢の人の前で、質問紙を実施した際は本当に緊張しましたが、よい経験になったと思いました。

・1年を通して研究を進めてきましたが、テーマを決める段階でかなり悩んで大変でした。文献を集めるのに時間がかかってしまいましたが、グループだったので、一人では探し出せていなかった文献も見つけることが出来ました。質問紙を集めた後の分析が一番大変でした。グループで分担して作業を行いましたが、かなり時間がかかってしまいました。思ったような結果が出なかったりもしましたが、グループでたくさんのことを分析出来たと思います。発表では、改善点がたくさん見つかりました。次は、聞く人たちが聞きやすいような発表がしたいです。

・この授業でグループワークの大変さと楽しさを学べました。テーマを決めるにしてもみんなで意見を出し合ったり、質問紙の項目もみんなでああでもないこうでもないと話し合ったり、スムーズに進んだとは言えなかったかもしれませんが、協力してやり切れたと思います。グループワークは大変ですが、みんなで助け合ってできるのが利点だと思います。

・一年間の授業を通して、質問紙を作る大変さや質問紙の回収の大変さ、質問紙に答えてもらうありがたさを改めて実感しました。グループで協力しても大変だったけれど、卒論では、一人で作成しなければならないために、早めに取り掛かることの重要さに気づきました。質問紙の作成やデータの分析など、この授業で身に着けたことは、卒論を作成する際に活かせると思います。人前で発表をしてみて、相手にわかりやすく伝える大変さも改めて感じました。

社会調査All
みんなでハイ、ポーズ!!先生はどこ?

  最後になりましたが、本授業での調査実施に際しまして、心理学科の多くの先生方に大変お世話になりました。貴重な授業時間を割いて調査にご協力くださった先生方と学生の皆様に、心より感謝申し上げます。

報告者:現代社会調査演習受講生+尾崎仁美



Posted by 京都ノートルダム女子大学心理学科 at 10:40│講義の様子学生の様子

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