現代人間学部 心理学科

第2回ビジネス・リサーチセミナー「ファッションと心~ファッション分野での心理学の可能性」開催報告

2022年02月15日

2022年1月13日、「行動科学概論」の授業の一環として、株式会社フォースタイルの久野梨沙代表取締役社長(プロフィールはこちら)にオンラインライブでの特別講義を行っていただきました。

第2回ビジネス・リサーチセミナー「ファッションと心~ファッション分野での心理学の可能性」開催報告

久野社長は大学で認知心理学・色彩心理学を学ばれ、卒業後は有名アパレルメーカーに就職されました。また会社員としての仕事と並行して心理カウンセラーとしての経験も積まれました。

その後、「一人一人におしゃれの楽しさを伝えたい」との思いからパーソナルスタイリストとして独立、株式会社フォースタイルを設立されました。また2013年には社団法人服装心理学協会を立ち上げ、代表理事に就任。2021年には会社経営や代表理事のお仕事をされながら公認心理師資格も取得されました。

講義ではこういったご自身の経験をお話しいただき、また実例を上げながらいかにファッションアドバイスを通じた心理カウンセリングで人を幸せにすることができるかをお話しいただきました。また着装行動の変化がファッション以外の行動に与える影響についてもお話しいただきました。

第2回ビジネス・リサーチセミナー「ファッションと心~ファッション分野での心理学の可能性」開催報告

本学には公認心理師を目指す学生と、心理学の知識をビジネスの分野で活かしたいと考える学生がいます。また「どちらか」一方の進路を選ぶことに悩んでいる学生もいます。久野社長のお話は「どちらも」選ぶことができるというロールモデルを示してくださるものでした。講義に参加した学生はお話から強い刺激を受け、講義後には多くの質問が上がりました。久野社長にはそれらの質問に丁寧に、わかりやすくお答えいただき、また励ましを送っていただきました。改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

第2回ビジネス・リサーチセミナー「ファッションと心~ファッション分野での心理学の可能性」開催報告

今後も京都ノートルダム女子大学現代人間学部心理学科社会・ビジネス心理コースとして、ビジネスに関わる様々な方々にご講演いただき、ビジネスと心理の関係について研究を進めていきます。

以下では学生の講義に対する感想の一部をいくつかご紹介します。

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学生A
はじめ、ファッションと心理学の組み合わせってどういうこと?と疑問に思っていました。どういう服を着たら相手に好印象を与えるよみたいなことなのかな?などと想像していましたが、全く違いました。久野さんの好きなファッションを切り口にして、心の深い部分のカウンセリングを行うという手法は今までありそうでなかったので、着眼点すごいなあ!とびっくりしました。これからはお茶しに行く感覚でカウンセリングが日本にも広まればなあと思います。


学生B
カウンセリングを受けることに抵抗のある日本人に対して、ファッション以外にも心理学×○○といった感じで心理支援をすることも可能なのかなと考えた。心理学×食や、心理学×住まいなど。心理学×住まいに関しては、リフォームの相談として家族カウンセリングをするなど、久野さんのような心理支援の方法の応用の幅について考えた。しかしこれらは、心理学の知識と〇〇の部分の知識が必要であり、一人で行うには2つの専門性が必要であるので凄い勉強量が必要だと思う。なので2つの専門性を掛け合わせた久野さんは凄いと思った。


学生C
自分は今まで、心理を学んでいるなら、将来は心理に関連した職業に就くのが当たり前であると思っていました。そうでなければ、大学で専攻して学んだ意味がないと思っていました。ですが、今回久野さんのお話を聞いて、心理を学んでいるからといって心理に特化した職業に就かなくてもいいんだという考え方が生まれました。久野さんのお話では、ファッション×心理カウンセリングを掛け合わせて仕事を行っているということをお聞きして、とても新しい形であるとともに、とても素晴らしい仕事であると思いました。
久野さんはファッションが好きということで、ファッションアドバイスと心理を掛け合わせて事業を行っておられましたが、自分に当てはめてみると、自分は化粧や企画に興味を持っていたので、それと今習っている心理を掛け合わせることで、自分が学びたいことや自分がしたい仕事を同時に行うことができるということに気がつきました。今までの自分ではそういった発想がないまま、固定概念に囚われていたと思います。ですが、久野さんのお話を聞いて、色々な働き方があって、色々な考え方があってもいいんだということに気づけました。とても貴重なお話をしてくださりありがとうございました。


学生D
私の通っていた高校でも、スクールカウンセリングがあったが、カウンセリングに通っている生徒を精神病だと決めつける生徒が多く、カウンセリングに抵抗のある生徒が多いイメージがあった。しかし、久野さんのパーソナルスタイリングと心理カウンセリングを組み合わせたものなら、精神的なカウンセリングを受けることに抵抗のある人でも気軽に通えて、とても良いと感じた。また、久野さんのカウンセリング方法は、日本人の性質にとても合っているカウンセリング方法だと感じた。今後、産業だけでなく、様々な分野でこのようなカウンセリング方法が増えれば、日本でもカウンセリングが主流になるのではないかと感じた。今までとは異なるところに視点を向け、新しいカウンセリング方法を生み出した久野さんは、本当に凄いと感じた。素晴らしい講義をして下さった久野さんに感謝を伝えたい。


学生E
日本ではカウンセリングを受ける事自体をネガティブに捉えている人が多く、そのことに疑問を持った久野さんは、ファッションとカウンセリングをくっつけ、ファッションのアドバイスを受けているが、実はカウンセリングを受けているという、新たなカウンセリングスタイルを生み出したことはとてもすごいなと思った。そして、メリットとして、病識がない人にもファッションアドバイスとしてだと受け入れてもらえることで、カウンセリングを受けてもらいやすくなるということがわかった。「服が心を表し、服が心を変える」という言葉を、一人でも多くの人が知ることによって、楽しみながらカウンセリングを受ける機会が増えると思った。
久野さんが1番最後に仰っていた、頼れる依存先をいろんなところに作る事がとても大切という話を聞き、私もそれにとても共感しました。決して甘えとかではなく、生きていく上でのとても大切な事だと思った。家族だけではなく、周りの先輩や、大人の方達を頼り生きていきたいと思った。


学生F
「服が心を表し、服が心を変える」この言葉を聞いた時、ハッとした。確かにこういう服を着ると気分が上がり、こういう服を着ると気が引き締まるということが日ごろからあるように感じる。
ファッションを切り口にカウンセリングをするというのは、今まで授業でも聞いたことがなかったので目から鱗な発想だった。あまり私の中ではファッションとカウンセリングが結び付かなかったが、今回の授業で更にこの分野が発展していけば、普通では見つけることのできない問題を見つけることができるようになるのではないかと思った。




第1回ビジネス・リサーチセミナーの記事はこちら

授業担当:後藤伸彦



Posted by 京都ノートルダム女子大学心理学科 at 11:00│講義の様子学生の様子

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