#12 「わたし」を分析する ―長所?短所?見方を変えてみれば―

京都ノートルダム女子大学心理学科

2019年04月23日 18:44

自分について考えた時、短所は思い浮かぶけれど、長所がなかなか見つけられないということはありませんか?
高校生の時期は、心身の変化だけでなく、人間関係や環境の変化も大きく、不安や戸惑いを感じやすい時期です。
また、自分に対する見方も揺らぎがちで、
「あの子は〇〇なのに、私はどうして✕✕なんだろう」
「もっと△△な自分になれたらいいのに」

と、他の人と比べたり、理想とは違う自分を意識したりして、自分への評価が否定的になることも多いのではないでしょうか。

授業では、実際に自分の長所と短所を考えてみてもらいました。
長所も短所もすぐに思い浮かんだ人、短所は見つかったものの長所が思い浮かばす手が止まる人、さまざまでしたが、長所よりも短所の方が思い浮かびやすいという人が多く見受けられました。

次に、いくつかの多義図形を見てもらいました。




着目するところが違うと、見え方が異なることを実感してもらった後、リフレーミングについて紹介しました。
リフレーミングとは、枠組みを再構築するという意味です。
「他にどのような状況で役に立つのか?」という視点から物事を捉えていく状況のリフレーミングと「他にどのような意味があるのか?」という視点から物事を捉えていく意味のリフレーミングについて説明しました。

その後、具体例を使って、リフレーミングの練習をしてみました。




“頑固でこだわりの強いAさん”について、どのように見方を変えることができるでしょうか?
――
「自分の世界をもっている」
「自分の意見をしっかりもてている」
「粘り強く物事に取り組むことができる」

などなど。

短時間での説明だったにも関わらず、皆さんとても積極的に取り組んでくださり、うまくリフレーミングされていたことに驚きました。
最後に、授業の前半に書いてもらった自分自身の短所についても、リフレーミングをしてみました。

今回の授業では、短所の見方を変えるワークをしましたが、自分を否定的に見ることは、必ずしも悪いことではありません。
少し立ち止まって悩む時間が必要な時もあるでしょうし、自分に足りない点に気づくことがその後の成長につながることもあります。

授業で紹介したことが、受講生の皆さんの何らかの気づきに役立てれば嬉しく思います。

   報告:尾崎 仁美 (2019/3/24 OC模擬授業より)



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