現代人間学部 心理学科

「心理学基礎演習:データ活用術」その2

2013年09月06日

 前回、同タイトルの「その1」では、サイコロやプロフィール交換を用いた確率の授業を紹介しました。

 一見遊んでばかりの確率授業、最終回ではまじめに「病気の確率と検査精度の関係」を学びました。発症率が低い病気の場合、検査精度が高くても「偽陽性」が生じやすく、再検査で“セーフ”となる場合が多いことを、グループで計算して確認。

グループで計算
  グループで計算。数字が苦手でも大丈夫。

 「陽性だったらほぼアウトだと思ってドキドキしたのに・・・」と落差に一同びっくりしました。
そして、その確率計算を、昨今メディアで取り上げられている胎児の出生前診断の新しい方法に当てはめて計算し、その社会的な波紋についても考えました。

 確率がどうであれ「病気や先天的障害がある“かもしれない”」という不安がその数字通りとは限りません。たとえば「100人中80人が成功する手術ですよ」と言われても、自分がその20人の一人かも・・・と考えるのが人の心であり、当の本人にとっては0か100とも言えます。また、不安の程度や抱え方は知識の量や性格によっても異なりますし、時にカウンセリングのような心理的援助も必要になります。医療現場では、病気の告知や臓器移植、遺伝カウンセリングなどの場面で、心理カウンセラーを求める声が高まっているそうです。
 客観的根拠と主観的な気持ちのズレ、その気持ちの個人差を捉えるのも心理学の大切なテーマであり、職業にもつながっています。

報告:伊藤 一美


Posted by 京都ノートルダム女子大学心理学科 at 07:00│講義の様子

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