現代人間学部 心理学科

卒論雑感(三好ゼミの紹介)

2013年12月26日

 心理学部教員の三好です。先日、卒論の提出〆切がありました。我がゼミでも今年も、字数があと何字足りない、データにおかしな箇所が見つかった…等々、てんやわんやがありました。もちろん添削などもするのですが、最後はやはり自分の力。仕上がりが楽しみのような心配なような。彼女たちにはしばしの休息の後、口頭試問(卒論に関する面接試験)、卒論発表会、と続きます。
 かつてのゼミ生を思い返すと、「阪神淡路大震災で被災した経験をもつ母親は、その経験を子どもにどう語り継ぐか」というテーマに取り組んだ人がいました。彼女自身、被災し大変な生活を余儀なくされた人でした。その彼女も今では2児の母。年賀状で子育てに奮闘している様子を知らせてくれています。
 また、「3人きょうだいの真ん中っ子の心理特性」というテーマに取り組んだゼミ生もいます。真ん中っ子って損することが多かった…という自身の思いに発したテーマでした。アンケート調査に加えて、3人きょうだいのそれぞれの立場の人たちにインタヴューしました。口頭試問で面接官の先生が「10年後にもう一度読み返してみるといいわよ」とコメントされたのが印象的でした。卒論を通して彼女がどういうことに取り組んだのか、感じ取ってくださったのだなあ、と思いました。
 数多ある中から1つのテーマを選ぶのですから、いっけん無関係に見える場合でも、そこには必ずその人にとって大切な事柄が含まれています。そして、卒論はそれなりに大きな課題なので、その取り組みのあり様に、その人らしさがよく表れるところでもあります。たかが卒論、されど卒論。たとえば10年後、ふと手にとってみたくなるような、その人にとって意味ある経験になるといいなと思ってはいるのですが…。さて、今年のゼミ生にとってはどうかな?

 「提出された卒論たち。良い結果を招いておくれ」
提出された卒論たち。良い結果を招いておくれ

 報告:三好智子
 



Posted by 京都ノートルダム女子大学心理学科 at 07:00│ゼミ紹介

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