現代人間学部 心理学科

講義『老年期の心理学』を通して-夏の風景-

2014年08月30日

 心理学部には「乳幼児期」「児童期」「青年期」などの講義があり、私はその最終ステージ『老年期の心理学』を担当しています。
ここ数年、授業で学んだ高齢者の特徴―身体・認知・対人関係・パーソナリティの変化―を踏まえ、身近な年配の方にインタビューし考察する、という期末レポートの選択課題を出しています。協力くださった縁者の皆様、ありがとうございました。
 「久しぶりに祖父母と話をした」という学生が多く、「最近は遊びに行ってなかった。もっと話をしよう」という感想が多く書かれていました。また、「祖母が生きていたら何と言ったかな」と書いてくれた学生もいます。
 祖父母の老い、親や自分の将来…不安が募ることもありますが、「新しいステージを生きられることは、面白く有難いこと」ということも授業を通して学んでくれているようです。
 それでも「死」のテーマは避けられません。死者との繋がりは普段の対人関係に匹敵するほど、よくも悪くもリアリティのあるもの。命日やお盆はそれが特に鮮明になるときです。

講義『老年期の心理学』を通して-夏の風景-
ナスやキュウリに割り箸で足をつけたお盆のお飾り。
精霊馬といいご先祖がこの世と行き来する乗り物です。

 前世代・次世代、此岸・彼岸、自分の過去・未来を、しなやかに往復できるようにと授業の工夫をしていこうと思います。
ちなみに、このテーマを考えるに映画『歩いても 歩いても』(是枝裕和監督)はおすすめ。

報告:伊藤 一美







Posted by 京都ノートルダム女子大学心理学科 at 07:00│講義の様子

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