現代人間学部 心理学科

2021年度社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

2022年03月15日

心理学科3年次生の4ゼミ(廣瀬ゼミ・尾崎ゼミ・後藤ゼミ・松島ゼミ)では、「社会調査士」資格を取得するため、また4年次で行う卒業研究の基盤作りのため、1年にわたって調査研究を行っています。
今年度も1月の2週にわたって4ゼミより計7グループの発表を行いましたので、その様子をご紹介します。

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【廣瀬ゼミ】
「コロナ禍における女性の化粧に関する行動」というタイトルで発表を行いました。
コロナ禍になって様々な変化がありましたが、そのことが化粧やその購買行動にどう影響しているかを調べるための調査を行いました。15歳以上の女性を対象にWebでアンケートを集め、104名から回答を得ました。
調査結果から、化粧品の購入頻度は全体として大きな変化はなく、ネットでの購入が増加していました。以前と比較して、目元や眉毛を化粧のポイントとして重要視する変化が見られ、特に目元を重要視する人は流行意識が高い(流行に敏感である)ことがわかりました。
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【松島ゼミ①】動画と写真による購買意欲の差異
本研究では、写真と動画の広告で購買意欲に差異はみられるのか、スイーツ(マカロン)とファッション(ブラウス)の写真と動画を刺激とし、購買意欲を調べました。調査対象者は36名の女性(20代が中心)で、Webで調査を行いました。
結果より、予想とは異なり、スイーツの方は動画より写真を見た方が購買意欲が高くなり、一方ファッションについては、動画と写真で購買意欲に差がみられませんでした。動画があることでイメージがよりつかみやすい商品もありますが、今回の2つの刺激は、必ずしも動画を視聴することが購買意欲に影響するわけではないことが明らかになりました。

【松島ゼミ②】化粧技術の高さとファッション意識による性格・自尊感情の違い
化粧技術の高さとファッション意識によって性格と自尊感情に差はみられるかを明らかにするため、44名の大学生にWebでアンケート調査を行いました。結果より、化粧技術が満足している人は外向性が高く自尊感情も高いという仮説は支持されず、コロナ禍による化粧観の変化が影響している可能性が示唆されました。また、ファッションと個人特性の関係についても仮説自体は支持されなかったものの、普段明るい服装を着ている人は、開放性が高く、また服の流行を重視する人は協調性がある等の関連がみられました。

【松島ゼミ③】なぜその雑貨屋は選ばれるのか
大学生にとって身近な5つの雑貨屋を対象として、「なぜその雑貨屋は選ばれるのか」について、44名の大学生を対象に調査を行いました。主に「SD法」という、対立する10の形容詞対(例えば、流行の-定番の、かわいい-おしゃれ等)を用いてイメージを測定する評価方法を用いて、5つの雑貨店の評価をしてもらいました。そして、マーケティングで使用されることがあるSWOT分析という手法で見出した仮説と結果を照らし合わせ、各雑貨屋が選ばれる理由を見出しました。
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【尾崎ゼミ①】SNSと自己投資額の関連
SNS利用と自己投資額(化粧品や洋服の購入金額)との関連について研究しました。商品購入のきっかけになったアプリケーションについてはInstagramが最も多く、半数以上が検索機能を利用していることが示されました。SNS利用頻度や就寝時のSNS利用の有無による自己投資額の違いを検討した結果、いずれも差は見られず、自己投資への興味がある人はない人に比べて自己投資額が高いということが明らかになりました。

【尾崎ゼミ②】女子大学生の気分と自己投資額の関連
どのような気分の時に自己投資額(化粧品の購入金額)が大きくなるのかについて検討しました。気分については、ポジティブ/ネガティブ感情を喚起する場面を設定し、それぞれの場面において、5000円を予算として化粧品を購入する場合、いくら使用するかを尋ねました、また、普段ポジティブかどうかを捉えるため、楽観性についても回答を求めました。分析の結果、楽観性の高低による自己投資額の差は見られませんでしたが、気分に関しては差がみられ、ネガティブな気分の時よりもポジティブな気分の時の方が自己投資額が高くなることが分かりました。
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【後藤ゼミ】キッチンカーアカウントのいいねの多いInstagram写真の分析
本研究では、キッチンカーアカウントの投稿写真について、写真にどのような特徴が写っていると「いいね」が増えるのかについて調査・分析を行いました。具体的には7つのキッチンカーアカウントの最新投稿50件について、14個の特徴があるかないかの調査を行いました。結果の一部をご紹介すると、よく言われるような写真に手や顔が映っている写真がいいねが多いという特徴は見られませんでした。一方で一般に言われるような、背景がぼけている「映え写真」はやはりいいねが多いという特徴がありました。逆に、キッチンカーアカウントであるにもかかわらず、キッチンカーの出店情報の投稿はいいねが少ないという結果は意外なものでした。これはキッチンカーを宣伝するためのアカウントであっても宣伝の意図がはっきりと分かる投稿はいいねが少ないのではないかと考察しました。

2021年度社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

2021年度社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました
発表会の様子

この1年間、問題の設定から調査実施、分析、考察までのプロセスを進める中で研究のスキルが身についたことに加え、ゼミ生同士で協働する力も身に付いたことと思います。これらの経験を踏まえ、4年生の卒業研究にも積極的に挑戦してくれることを期待しています。

2021年度社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました
発表会の後に4ゼミ全員で記念写真

心理学演習(ゼミ)担当: 廣瀬 直哉・尾崎 仁美・後藤伸彦・松島るみ









Posted by 京都ノートルダム女子大学心理学科 at 08:17│学生の様子ゼミ紹介

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