現代人間学部 心理学科

社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

2021年02月10日

心理学科の3年次ゼミの3ゼミ(廣瀬ゼミ・松島ゼミ・尾崎ゼミ)では、「社会調査士」という資格を取得するため、また4年次で行う卒業研究の基盤作りのため、1年にわたって調査研究を行っています。
2020年度は1月13日、20日の2週にわたって3ゼミより7グループの発表が行われましたので、その様子をご紹介します。
各ゼミの様子や受講生の感想は各ゼミからの報告記事をご覧下さい。
 廣瀬ゼミ 12月21日リンク
 松島ゼミ 1月25日リンク
 尾崎ゼミ 8月15日のリンク

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【廣瀬ゼミ Bチーム】
「テーマパークでの消費行動」というタイトルで発表を行いました。
テーマパークのもたらす非日常的な空間においては金銭感覚にずれが生じているのではないかと考え、テーマパークにおける非日常感と持っていく予算額の関係を調べました。
調査では172名に対し、東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、サンリオ・ピューロランド、ナガシマスパーランドの4つのテーマパークについて、非日常的と感じるかどうか、どれぐらいの予算を持って行くか、好きかどうかなどを尋ねました。
4つのテーマパークの比較では、東京ディズニーリゾートがもっとも非日常感が高く、もっとも好かれているテーマパークであることがわかりました。
ところが、東京ディズニーリゾートにおいては、非日常感と予算の関係は見られませんでした。
一方、他の3つのテーマパークにおいては、非日常感と予算の相関が見られ、そのテーマパークに対して非日常的だと感じているほど、多くの予算を持っていくという結果が得られました。
社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

【廣瀬ゼミ Pチーム】
「東京ディズニーリゾートが消費行動にもたらす影響」というタイトルで発表を行いました。
代表的なテーマパークである東京ディズニーリゾートに絞って、テーマパークに対するイメージやその人の性格、金銭感覚がテーマパークでの消費にどう影響しているかを調べました。
調査はBチームと合同で行ったため、調査対象者は同じで、質問項目もいくつか重なっていました。
東京ディズニーリゾートについてのイメージや持っていく予算、その人の金銭感覚、性格などを尋ねました。
東京ディズニーリゾートに対するイメージでは、外向的な人ほど東京ディズニーリゾートに対する好感度が高く、真面目な人や平凡な人ほど見た目によい印象を持っていることがわかりました。
また、お金を大切にする人ほど、好感度が高く、見た目によい印象を持っていることもわかりました。
さらに、予算額との関係では、東京ディズニーリゾートに対して好感度が高く、楽しいと思っている人ほど、たくさんの予算を持っていくという結果が得られました。
したがって、性格とパークに対するイメージと予算額が関連していることが明らかになりました。
社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

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【松島ゼミ 化粧チーム】 研究タイトル「化粧行動への好感度と化粧観について」
化粧への好感度による化粧観(化粧のとらえ方)や印象の違いを明らかにするため、女子大学生103名を対象にウエブ調査を行いました。
主な結果として、化粧が好きな人は、化粧前後による顔の印象に差が見られ、化粧後の方が「積極さ」「暖かさ」「大人っぽさ」「活発さ」「柔らかさ」「派手さ」の得点が高くなりました。
一方、「親しみやすさ」については、化粧への好感度に関わらず、化粧後の顔よりも化粧前の素顔の方が親しみを感じやすいことが分かりました。
また、「化粧は自分が自分としてあるために必要なものである」「化粧はクリエイティブである」等、化粧に対して前向きで発展的な考えをもっている人は化粧行動中に、ワクワク感・夢中・癒し・嬉しいなどのポジティブで明るい感情を抱いていることがわかりました。
社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

【松島ゼミ スタバチーム】 研究タイトル「なぜスターバックスは若者に人気なのか」
スターバックスはなぜ若者に人気なのかを明らかにするため、177名の女子大生を中心とした若い女性を対象にウエブ調査を行いました。
また、スターバックスに関する調査だけではなく、スターバックス以外のカフェによく行く人にもその理由や目的などを尋ね、両者の結果の差異も明らかにしました。
この結果、スタバに行く目的について、他のカフェよりも『期間限定商品を求めて』と回答した人の割合が多く、さらにスタバは『ブランドが優れている』と認識する者が多いことから、これらの要因がスタバの人気につながっている可能性があることが示唆されました。
社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

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【尾崎ゼミ 衝動買いの心理チーム】
どのような人が衝動買いをしやすいのかを明らかにするためにするため、ストレス、ライフスタイルに焦点を当てて検討しました。
女子大学生100名を対象にWeb調査を行った結果、衣類、化粧品、食料品がよく衝動買いされていること、衝動買いの理由として「一目ぼれ」「自分へのご褒美」が多いことが分かりました。
ストレスやライフスタイルと衝動買い傾向との間に関連はみられませんでしたが、衝動買いをよくする人とあまりしない人とでは衝動買いをした後の気持ちに違いがあることが分かり、衝動買いをよくする人は衝動買いをした後、「満足した」「幸せな気持ちになった」「すっきりした」など、ポジティブな感情を経験していることが示されました。
***学生の感想***
● 気になったことをゼミのテーマとして取り上げて、最後まで携われたのでよかった。ゼミの発表会では自分がやり遂げたことをしっかり伝えられたので、悔いはないです。
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【尾崎ゼミ ファン心理チーム】
どのような要因がファングッズの購入に関連しているのかを明らかにするため、女子大学生104名を対象にWeb調査を行いました。
回答者のうち、ファン対象がいる人は86%で、ファン対象として最も多かったのは「アイドル」、次に多かったのは「アーティスト」でした。
回答者自身の外向性の高低、ファン対象の外見的・内面的魅力の高低、ファン同士のかかわりの有無に着目し、ファングッズの購入頻度や購入金額を比較しましたが、いずれも差は見られませんでした。
今回の結果から、今後、調査対象者をアイドルファン等に絞ることで、より詳細な検討ができると考えました。
***学生の感想***
● 自分が気になっていたことを質問項目に入れたからといって結果が上手く出るとは限らないことを今回の調査で実感したので、卒業研究で活かしていきたいなと思いました。
● 発表はわかりやすく伝えることが難しかったですが、自分たちなりに頑張りました。もともと興味がある内容だったので質問項目を考えたり回答を集計することは楽しかったです。
社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

【尾崎ゼミ】 服の衝動買いチーム
衣服の衝動買いに焦点を当て、どのような要因が購入後の服の愛着度に関連するのかを検討しました。
女子大学生97名を対象に調査を行った結果、1年間で服を衝動買いした回数は1~2回が最も多く、1回あたりの購入額は3000円~5000円が多いことが分かりました。
衝動買いをした服と衝動買いではなく購入した服とで、購入後の愛着度に差は見られませんでしたが、商品の購入理由と愛着度との間に関連のあることが分かり、衝動買いであっても、「後悔しないため」「自分へのご褒美として」購入した場合、購入した服への愛着度が高くなることが示されました。
***学生の感想***
● 例年とは異なる状況でしたが、対面授業ができない時はZoomで意見を出し合ったり、データを集めるのにGoogleフォームを活用したりと、状況に合わせた工夫もたくさんできたと思います。それぞれ興味のあるテーマで研究が行えたので楽しかったし、資料を作り終えた後は達成感がありました。
● 長い時間をかけて作った質問も、分析をしていく中でもっとこういう質問もしておけばよかったと思ったので、次に質問紙で調査をするときには分析することを踏まえて質問紙を作ろうと思いました。
● グループだからこそアイデアが豊富に集まり価値観が様々で試行錯誤することが楽しかったです。協力することの難しさや分担して進めることの大変さも知り、沢山の経験を積むことができたゼミでした。
社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました

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今年度は新型コロナの影響で、オンラインによるゼミのスタートとなりましたが、そのような中でも様々な手段を使い、受講生同士が連携して、問題の設定から調査実施、分析、考察までしっかり調査研究を進めることが出来ました。
社会調査士ゼミの研究発表会を開催しました
他のゼミ生や教員からの質問に答える質疑応答の時間もありました

4年生の卒業研究が今からとても楽しみです。

  心理学演習(ゼミ)担当: 廣瀬 直哉 ・ 松島 るみ ・ 尾崎 仁美



Posted by 京都ノートルダム女子大学心理学科 at 17:31│学生の様子ゼミ紹介

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